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​東西線が誇れるもの

​地下鉄というと、通勤電車ばかりで地味なイメージを持たれがちですが、東西線には東京メトロの他の路線はおろか、日本全国の他の地下鉄よりも誇れるものがいくつかあります。それでは、一つずつご紹介しましょう。

​①日本の地下鉄で初の快速運転

 地下鉄というと大都会の交通機関という性格上各駅の利用者が万遍なくいるため、全ての駅に停車する各駅停車で運行することが効率がいいとされ、実際に日本の地下鉄はどこの都市も全て各駅停車で運行しています。ところが東西線は違います。もちろん、開業当初はすべての列車が各駅停車でしたが、状況が変わったのが1969年の東陽町~西船橋間の開業。今でこそベッドタウンである葛西、浦安、行徳エリアですが、東西線開業当時は人口が少ない農漁村地帯でした。そのため東陽町~西船橋間の各駅では集客が見込めないと判断され、総武線のバイパス線という性格を持たす意味も相まってこの区間をノンストップで走る快速列車が設定されました。葛西、原木中山は通過線の外側に待避線を儲けた「新幹線型」の駅構造で建設され、各駅停車の追い抜きも行われました。

ちなみに、2016年現在東西線以外で優等列車の運転を行っている地下鉄路線は、千代田線(小田急線直通特急ロマンスカーのみ)、副都心線、都営浅草線、都営新宿線、横浜市営地下鉄ブルーラインがあります。

​②開業後に駅が3つも増えた

 先述の通り、開業当初の地上区間沿線は人口が少ない農漁村地帯でした。そのため、「地下鉄」という割には駅間隔が長く、隣の駅まで2~3kmありました。ところが沿線の宅地化が進み人口が増加した結果、1979年には南砂町~葛西間に西葛西駅が、1981年には浦安~行徳間に南行徳駅が開業します。その後も沿線の開発が進み、2000年には行徳~原木中山間にあった下妙典信号場が妙典駅に昇格しました。

​ 銀座線の溜池山王駅や丸ノ内線の西新宿駅のように、既存路線に駅が新設された例はありますが、3駅も増えた地下鉄路線は2016年現在東西線が唯一です。

​③日本最速の地下鉄

 地下鉄はトンネル内を走るため、駅で電車を待っている乗客の安全を確保することや駅間距離が短いことから、地上の電車に比べて速度が抑えられるのが一般的です。例えば、銀座線の最高速度は65km/hです。ところが東西線の場合、地下区間の最高速度は南北線や副都心線などと同様80km/hですが、地上区間の最高速度は100km/hを誇ります。これは日本の地下鉄路線としては最速です。

​④日本トップクラスの長い鉄橋がある

南砂町~西葛西間にある荒川中川橋梁、全長は1.2kmに及びます。総武線や都営新宿線と違い、荒川と中川を1つの鉄橋で跨いでいるのと、かつて海に近い地域だった名残で内陸部にまで橋梁が続いているため長い鉄橋になっています。

開業当時、日本の地下鉄として、またJR(当時は国鉄)を除く日本の鉄道では最も長い鉄橋でした。1991年に関西国際空港連絡橋が完成し、南海空港線とJR関西空港線が供用されたことでその記録を譲りましたが、現在でも河川に架かる鉄道単独の橋としてはトップクラスの長さを誇ります。

​⑤日本の地下鉄初の構造を持つ駅で世界初の工事!?

日本の地下鉄としては初めて単線シールドトンネル構造を採用した木場駅。この駅は出口につながる両端を除き、A・B線間のホームの行き来ができず、かつそれぞれのホームが狭いため近年の利用者増加に体操しきれなくなりつつありました。そこで、コンコースを拡大するだけでなく、シールドトンネルの壁を壊してA・B線ホーム間の行き来ができるよう拡張する工事が行われています。列車の運行を続けつつ、既設のシールドトンネルを解体して新たな空間を生み出す工事は世界初の試みです。

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