列車番号というものをご存知でしょうか？それぞれの列車には個別の番号が与えられていて、運転業務で利用されています。例えば、車いすのお客様を乗降させるときは渡り板を出して乗り降りの手伝いをしますが、そのお客様がどの列車に乗ったのかを降車駅に正確に伝えなければなりません。「○○駅をxx時yy分に発車した列車に～」なんて伝え方はNGです。そしたら相手の駅はいちいち時刻表やダイヤグラムとにらめっこして探さなければなりません。でも列車番号を伝えれば、瞬時に相手の駅もどの列車に乗っているかがわかるんです。このように一般の乗客には直接関係のないことですが、時刻表を見ると掲載されていることがあるので目にした人も多いのではないでしょうか。JR東日本の一部の車両は、車両の前面に表示してますね。

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​さてこの列車番号、マニア的にも結構役立つ情報だったりするんです。例えば列車の撮影をするとき。東西線にはメトロ車、東葉車、JR車の3社計6種類の車両が走っていますが、この中でJR車両を撮影したいとき、どうすればいいでしょうか。答えは簡単。時刻表の列車番号欄を見ればいいのです。実はこれを見れば、どの列車がどの会社の車両で運行されているのかがひと目でわかるようになっているんです。それでは東西線を含めた東京メトロでの事例で説明しましょう。

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東西線を始め、東京メトロでは列車番号を4桁の数字とその前後にアルファベットで表してます。

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A 15 43 S

①　　　②　　　　③　　　④

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①列車の進行方向…A線（東西線なら西船橋方面）なら「A」、B線（同中野方面）なら「B」。

②始発駅の発車時…24時間制で表記。他社線との直通列車で始発駅が他社線内の場合は、その始発駅の発車時を与える。

③運行番号…それぞれの運用に割り与えられた個別の番号。原則として、車庫を出てから車庫に戻るまで番号は変わらない。

④運用される社局の車両…メトロ車は「S」、東葉車は「T」、JR車は「K」。東西線のみ運転、または東葉高速線に直通する快速・通勤快速はさらに「R」を付与する。

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こんな感じで付与されています。上記の例は、「始発駅を15時台に発車するA線列車で、メトロ車で運用される第43運用の列車」という意味になります。このうち、車両に表示されるのは③と④のみです。

東京メトロでは、その性格上1日に運行される列車が多いことから、1から順番に付番していくのではなくて始発駅の発車時と運行番号、アルファベットを組み合わせる「冠発時刻方式」を採用しています。多少附番方法が異なりますが、JR東日本の近距離電車や東急、京成、京急などでも似たような附番方法をとっています。

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次いで運行番号についてもう少し深く説明しましょう。東京メトロを走る車両には、自他社問わず先頭に「13S」とか「50T」などと表示しています。これが運行番号です。人間に例えるなら、勤務シフトといったところでしょうか。車両の1日の運用の流れを識別するために、それぞれの運用に個別の番号が割与えられています。東京メトロの場合、アルファベットで車両の所属会社を区別していますが、運行番号の割り当ても車両の所属会社によって変えており、東西線の場合、メトロ車は「02」と「13～99の奇数」、東葉車は「50～64の偶数」、JR車は「01～11の奇数」が割り当てられています。ダイヤ乱れで運用変更がない限り、原則として車両に表示している運行番号は出庫して1日の運用を終えて入庫するまで一日中同じ番号を表示し続けます。ただし、JR車のみJR線内ではJR線内での列車番号をフルで表示、東西線内では運行番号の表示しており、中野あるいは西船橋で表示を切り替えています。

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最後に、末尾に付けられる車両の所属会社を識別する符号について説明しましょう。前記の通り、メトロ車が「S」、東葉車は「T」、JR車は「K」が付与されます。それぞれ、「Subway（地下鉄）」の「S」、「Toyo（東葉）」の「T」、「Kokutetsu（国鉄）」の「K」が由来となっています。なぜJR車が「J」や「R」でないのかというと、東西線と中央線、総武線と相互直通運転を開始した当時はまだ「日本国有鉄道」だった時代で、その名残というわけです。ただし「R」に関しては、快速電車であることを示す符号として用いられており、東西線のみあるいは東葉高速線に直通する快速・通勤快速を対象に付与され、それぞれ「SR」、「TR」、「KR」と表示されます。JR線に直通する快速・通勤快速には付与されませんが、一部駅の業務用時刻表にはJR線直通の快速でも「KR」が与えられている例を見かけます。なおJR車運用の快速で、「KR​」が与えられる東西線内のみの運用は、平日は快速（B1705KR）・通勤快速（B607KR）各1本、土休日は快速（B807KR）1本が存在します。