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JR東日本が伊豆方面に新型観光特急導入!?

  • 執筆者の写真: Yukinori Minami
    Yukinori Minami
  • 2018年5月8日
  • 読了時間: 5分

みなさんこんにちは!みなみゆきのりです。

本日2018年5月8日、JR東日本は2020年を目途に伊豆方面に新型の観光特急を投入すると発表しました。形式は「E261系」を名乗り、車両デザインはすっかりおなじみとなった奥山清行氏率いる「KEN OKUYAMA DESIGN」が担当。車両の見た目はどことなく東武鉄道の500系「リバティ」と「TRAN SWEET四季島」を足して2で割ったような感じですね。

ここからは、JR東日本のプレスリリースを参照しながら執筆しています。こちらもあわせてご参照の上、ご覧ください。

おそらく251系「スーパービュー踊り子」の後継に当たるであろうこの車両、興味深いのは全車グリーン車で構成されていることと食堂車が設定されていること。全車グリーン車というのは、一昔前のジョイフルトレインや寝台特急「カシオペア」で見られた編成形態ですが、今のご時世にしては大胆な設定だと思います。編成は251系から2両減車して8両とされ、食堂車1両を除く座席者のうち1両は新規設定の「プレミアムグリーン車」、2両はグリーン個室、残りの4両がグリーン車とされています。ここで注目したいのは、新規設定の「プレミアムグリーン車」でしょうか。九州にもそんなものがあったような気がしますが、あちらは「デラックスグリーン車」でしたね。すでにJR東日本はグリーン車よりもグレードの高いクラスとして新幹線で「グランクラス」を設定していますが、在来線特急には設定しないのか、はたまた新幹線のグランクラスとは異なるサービスの提供を想定しているのか、グランクラスの設定は避けたようです。プレミアムグリーン車は1+1の座席配置としていますが、イメージ図を見た限りでは真ん中に通路があるのではなく、24系寝台車のように通路が端に寄せられています。イメージ図をよく見ると、座席は海側に寄せられているように見えますが、2人以上のグループ利用でも利用しやすくなるよう狙った配置と考えられます。

次に注目したいのは、グリーン個室です。一時期新幹線、在来線/私鉄特急を問わず、個室の設置が流行りましたが、稼働率の低下からか徐々に姿を消し、現在JR東日本でグリーン個室を用意しているのはスーパービュー踊り子と東武線直通のスペーシアきぬがわに留まります。ドアの無い簡易個室だと、リゾートしらかみなどがあります。かつては成田エクスプレスにもありましたね。

驚きなのは現行251系に用意されている4人用のほか、6人用が用意されること。大人数のグループ旅行の利用を見込んでいるようですが、はたしてどれだけの稼働率を確保できるか…そして室内のレイアウトが従来の「向かい合わせ席を個別の部屋にした」ようなレイアウトから、リビングルームを思わせるレイアウトになっていること。伊豆のオーシャンビューを堪能できるように配慮されていそうですね。現行スーパービュー踊り子の個室が7710円(東京~伊豆急下田)ですが、6人用だとさらに高額な料金設定になりそうですね。ちなみに現行スーパービュー踊り子は成田エクスプレスと同様、割高な「A特急料金」が適用されています。後継車両でも「A特急料金」が適用されるでしょう。

そして驚きを隠せなかったのが、食堂車が連結されること。この手の列車では、ほかに近鉄の「しまかぜ」がありますね。プレスによれば「ヌードルバー」とし、麺類に特化しているようです。コンセプトは「日本人が愛してやまない麺文化の素晴らしさと奥深さを世界に発信する」ことらしいですが、伊豆と麺類のかかわりがイマイチぴんと来ないです。伊豆を擁する静岡県といえば、富士宮市の「富士宮焼きそば」や藤枝市の「朝ラーメン」、掛川市の「冷やしラーメン」等が知られていますが、全部JR東海エリア。一方神奈川県に目をやると、横浜市の「家系ラーメン」や三浦市の「まぐろラーメン」等がありますが、「伊豆」とはかけ離れていますね。ちなみにヌードルバーを手掛けるのは、八戸線の「TOHOKU EMOTION」を手掛けた実績のある中村貞裕氏が率いる「TRANSIT GENERAL OFFICE」が担当することが公表されています。ご当地ラーメンの紹介というよりは、創作ラーメンということなのでしょう。定期的にメニューの変更が行われるようですし。それはそれで楽しみですね。

なお、なぜ麺類に特化したのか…駅構内の立ち食いそば店が省スペースで営業しているあたりから察することができると思います。国鉄全盛期の食堂車のようにあれもこれもというのはハードルが高かったのでしょう。オープンキッチンが設けられるものの、スープの仕込みは時間がかかりますし、今までの食堂車の営業形態から考えると、スープの仕込みや具材の加工はあらかじめNREの工場で済ませたうえで車内に積み込み、車内では盛り付けだけ、ということが考えられます。「TOHOKU EMOTION」のスタイルから考えると、餃子や春巻き、半ライスなどといったサイドメニューの提供はなさそうですね。ドリンク類の提供はあるでしょうけど。

「スーパービュー踊り子」の登場からもうすぐ30年。2000年代初頭にリニューアルが行われているとはいえ、そろそろ耐用年数が来てもおかしくない頃。またハイデッカーという構造が近年のバリアフリー化という社会の要請に応えられないことから、純粋に251系が置き換えられるものと予想されますが、251系が4本在籍するのに対し今回導入されるE261系は2本。両数も10両から8両に減車されているあたり、利用者数の推移に応じた設定なのでしょうか。現時点では251系の処遇までは公表されていないので、当面は251系と併用して運用される可能性も残されていますが、「踊り子」に使用される185系もすでに登場から30年以上経過。中央線のE353系に追い出されたE257系がやって来る話が出ていますが、今のところ目立った動きはなし。でも今後伊豆方面の特急に大きな変化が来ることは予想されます。現行車両の記録・乗車は今のうちに。


 
 
 

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